読了「ホーキング、宇宙を語る」
「ホーキング、宇宙を語る」(スティーヴン・W・ホーキング/ハヤカワ文庫)読み終わりました。
ホーキング博士を初めて知ったのは、写真左の「大空魔術」(東方の音楽CD)を聴いたときだった。このCDには「車椅子の未来宇宙」という曲が収録されている。車椅子とは勿論博士のことだ(博士は筋萎縮性側索硬化症を患っている)。メロディが素晴らしいのは勿論の事、ブックレットのこの曲のページが素晴らしい。詳しくは秘封倶楽部で調べてほしいが、この大空魔術はじめ東方projectもとい上海アリス幻樂団もといZUNさんの音楽CDは、宇佐美蓮子(右側)とマエリベリー・ハーン(左側)の二人でやっているオカルトサークル「秘封倶楽部」の活動? を中心としたストーリーが曲に合わせて展開されている。
「車椅子の未来宇宙」のページを少し抜粋↓
「物理学は事実上終焉を迎えている。既に物理学は、解釈と哲学の時代に突入していた。」
人間が生み出したはずの科学が人間の追えない域に達してしまい、およそ科学と正反対に考えられる(古代だと一緒であったが)哲学=概念となってしまっているという意味である。何と幻想的だろう。そしてその物理学の学者で彼を超える者はいないと紹介されているのがホーキング博士なのだ。
そんな経緯があって、前々からずっと読みたいと思っていた本書だ。
詳しいわけではないが、私は宇宙が好きだ(サイト名も「多元宇宙」だしね)。まずなんで私が妖怪とか宗教とかが好きかって、人の手の外にあるものだからだ。予測できない。だから夢がある。しかし今の世の中、大抵のものは論理があかされてしまっている。もはや未知のものとして夢を託せるのは超マクロのものか超ミクロのものぐらいだ。そのマクロに当たるものが、宇宙だ。宇宙は我々の予想を容易く超えてくれるポテンシャルがある。
そして宇宙というものは、その人知を超えた法則をもって私のような何かを作る者へインスピレーションを与えてくれる、そんな気がするのです。
てなわけで読んだのだが、正直殆どわからない。一般人のために書かれた本書(数式もE=mc^2のみだし)ではあるが、物理の知識というか感覚がある程度ないと中々難しい。だってまだ五分の一程度のところで相対性理論がでてきて、それからずっと重要な概念として出続けるんだよ。私のような物理陳腐ん乾布んな人間は、理論でなく感覚をとらえる読み方しかできない。
なので本書を読んで何を学んだかと聞かれると大いに困る。非言語非理性な感覚を、もしかするとちょこーっと手に入れたかもなぁ、ってレベルなのだから。
しかしそんな拙い脳でも驚きを感じることはできた。ブラックホールはただ吸い込むだけでなくて放射も行っているんだって。そんな感じのことを、宇宙という摩訶不思議な存在があるという感覚(もう感覚という単語に頼るしかない)と共に学べた、ような気がする。
兎角、難しい本ではあるが一読をすすめます。